ハイエースとは

ワンボックスとして高い人気を誇るトヨタ ハイエース。もともとは商用トラックのトヨエースの小型版として登場したのが始まりで、ボディバリエーションのひとつとしてワンボックスタイプが用意されていた。

ハイエースは非常に実用性が高く、積載量も多いことから「働くクルマ」としても知られているが、その特徴を生かしてジャンボタクシーやマイクロバス、救急車、福祉車両などの用途に使われることも多い車である。
また、一般ユーザーがキャンピングカーやバイク・自転車・カート等を運搬するトランポなど、さまざまな用途で使用している。

ハイエースは「〇〇系」と呼ばれるがこれは車両型式からの通称名であり、どの代のハイエースのことを指しているのかが分かりやすいため使われている。

ハイエース年表
・初代ハイエース(10系)1697年~
・2代目ハイエース(20系/30系/40系)1977年~
・3代目ハイエース(50系)1982年~
・4代目ハイエース(100系)1989年~
・5代目ハイエース(200系)2004年~現在

初代ハイエース(10系)
1967年10月に発売したキャブオーバータイプの乗用車・商用車。モノコック構造のボデーに前輪独立懸架を採用。
モデル構成は、デリバリーバン(6名/3名乗り、500kg・850kg積み)、ワゴン(9名乗り)、コミューター(12名乗り、15名乗り)。
ホイールベースは基本ボデーが2350mmで、コミューターの15名乗りが2650mm。
エンジンは1.3リッター・56馬力(P)と1.5リッター・70馬力(2R)の2種類のガソリンエンジンを使用。
ロングホイールベース仕様は救急車のベース車両としても使われた。1971年2月、1.5リッターエンジンを1.6リッター・83馬力の12R型に置き換えた。

2代目ハイエース(20系/30系/40系)
1977年2月(ワゴンは4月)に発売した2代目。機能性、居住性、安全性の大幅な向上を図った。荷室面積と容積を大幅に拡大。
モデル構成は、バンとコミューターがそれぞれ標準、ロング、スーパーロングの3種類ずつ、ワゴンが標準ホイールベースの9人乗りと10人乗りの2種類である。
ワンボックス系のホイールベースは2340mm(標準)、2545mm(ロング)、2845mm(スーパーロング)の3種類を設定。エンジンはガソリンだけで、2リッター・100馬力(18R-U)、同1.8リッター・95馬力(16R-J)、1.6リッター・80馬力(12R-J)の3種類。
標準バンは積載量を850kg/600kgへと拡大、9名乗りバンでは最後部座席を折り畳み式として、6名乗車時に750kgの積載を可能とした。また、スーパーロング系のバンと2ナンバー登録の小型バスのコミューターに入ルーフを採用したほか、バンのバックドアには開閉気候に平行4リンク型を採用し、狭い場所での開閉を容易にした。サイドスライドドアは、開口幅を245mm拡大して980mmとするとともに開閉操作力も軽くした。
ワゴンの10名乗りは1979年3月にロングホイールベース化を実施。1979年7月には、2.2リッター・72馬力のディーゼルエンジン(L)を追加した。その後も1982年12月に3代目にバトンタッチするまで各種の改良がなされた。

3代目ハイエース(50系)
1982年12月に発売した3代目。ワゴン、バン、コミューターのワンボックスがモデルチェンジした。高級RVとして使われるようになってきていたワゴンは、居住性・快適性の向上を図り、最上級グレードとして「スーパーカスタム サン&ムーンルーフ」を新設定し、リヤサスペンションにはコイルスプリングを用いた4リンク式を採用した。
エンジンは、新開発のレーザー2Y型1.8リッターと3Y型2リッターガソリンを新搭載したほか、L型ディーゼル(後にも2L型)も設定。またRV需要にこたえて、ガソリンエンジン車にも4段ATを設定した。
1985年8月の小変更では、7名乗りワゴンの最上級グレードとしてスーパーカスタムリミテッドを加えた。また、ワゴンの一部車種とバンに4WDを設定した。

4代目ハイエース(100系)
1989年8月に発売した4代目。機構的には搭載エンジンの構成が変わり、ガソリンが新開発の2リッター(1RZ-Rおよび1RZ)と、2.4リッター(2RZ-E)に、4WD車は2.8リッターのディーゼル(3L)のみとなった。ますます高まる高級ワンボックスRVとしての需要に呼応して、内・外装や装備が豪華なものとなった。
これ以降、ワゴンは高級ワンボックスRVとして成長する一方、バンは使い勝手のよい商用車として改良を重ねていく。
「ハイエース」はそのサイズと信頼性の高さから救急車として使われてきたが、1992年5月には「ハイエース」をベースに、「セルシオ」用のV型8気筒エンジンを搭載した高規格救急車の「トヨタ ハイメディック」を設定した。
1993年8月、4WDの方式を、トランスファーを流用したパートタイム式から、センターデフロック、副変速機を持たないフルタイム式へ変更した。

5代目ハイエース(200系)
2004年8月に発売した、15年ぶりのフルモデルチェンジを受けた5代目。先代から高級ワンボックス乗用車としての需要が高まるワゴンと、商用車としての使い勝手の良さを追求するバンに明確に枝分かれしつつあったが、今回のモデルチェンジを機に、ワゴンのスーパーカスタム系は「アルファード」(2002年5月発売)に統合した。
前兆4.7m以上のモデルは全幅が1880mmの幅広ボデーのみとなり、4ナンバー登録はバンだけになったロング・標準ボデー幅・標準ルーフ/ハイルーフ、ロング・幅広ボデー・ミドルルーフ、スーパーロング・幅広ボデー・ハイルーフの設定がある。
商用車の貨物輸送だけでなく、キャンパーや大型レジャー用品を搭載できることから、幅広いユーザー層から支持された。